住友生命とJMDC、「インフルエンザ実態調査レポート」2026を公表 約1000万人規模の医療データを分析

住友生命と株式会社JMDCは、約1000万人規模の医療ビッグデータでインフルエンザの診断・重症化や生活習慣、家庭内の診断状況を分析した。2024-2025シーズンの診断発生率は10.91%だった。
住友生命保険で読む →住友生命保険相互会社(以下、住友生命)と株式会社JMDCは、「インフルエンザ実態調査レポート」をまとめた。JMDCが保有する約1000万人規模の医療ビッグデータを使い、インフルエンザの診断・重症化に加えて、健康・生活習慣、前シーズンの感染歴、世帯構成、家庭内での診断状況を同じデータで横断的に分析した。2024-2025シーズンは100人中約11人がインフルエンザと診断され、5~14歳で診断発生指数が高かった。5人以上世帯の「家庭内感染率」は51.4%で、5~14歳の子どもが世帯内で最初に診断されやすい傾向も確認された。
本レポートは、インフルエンザが毎年流行を繰り返し、家族内感染や重症化による医療負荷が生じている現状を踏まえ、診断・重症化リスクや診断歴、家庭内感染の実態に関するエビデンスを提供することを目的としている。重症度を「診断」「肺炎併発」「入院」「重症入院(ICU等)」の4段階で捉え、年齢・地域による違い、歩行習慣や睡眠休養感などの生活習慣との関係、前シーズンの感染歴との関係、家族人数や世帯内の年齢構成と家庭内での診断状況との関係を分析した。
診断発生率と医療費、年齢による違いの結果は次のとおり。
- 2024年9月から2025年8月までの「2024-2025シーズン」の診断発生率は10.91%で、100人中約11人が診断を受けた。
- 10割負担相当の平均医療費は、診断で約1.8万円、肺炎併発で約4.5万円、入院で約57.4万円、重症入院(ICU等)で約111.9万円と、重症度が高まるほど増加する傾向にあった。患者本人の窓口負担額ではなく、レセプトデータに基づく医療費である。
- 肺炎併発や入院、重症入院(ICU等)といった比較的重い状態は、小児に加え高齢層(JMDCデータで確認できる60~74歳)でも発生指数が高い傾向にあった。
生活習慣と既往の分析では、健診問診上「歩行習慣なし」「睡眠による休養感なし」に該当した人は、該当しない人に比べ、診断や重症化に関する一部の指標でリスクが高い傾向がみられた。降圧薬、糖尿病治療薬、脂質異常症治療薬を使用している人では、入院や重症入院(ICU等)の相対リスクが高い傾向があり、例えば降圧薬使用者は使用していない人に比べて入院1.76倍、重症入院(ICU等)2.88倍となった。
前シーズンの感染歴による違いは次のとおり。
- 前シーズンに風邪の診断があった人は12.3%(診断なし9.3%)、新型コロナの診断があった人は13.4%(診断なし10.5%)と、翌シーズンの診断発生率が高かった。
- 前シーズンにインフルエンザの診断があった人は9.9%で、診断がなかった人の11.1%を下回った。
- ワクチン接種状況や感染対策行動、人との接触機会、受診行動等は十分に把握しておらず、診断歴そのものが翌シーズンの診断発生率を直接変化させたとは結論付けられないとしている。
家庭内の診断状況では、同一世帯内で同一シーズンに複数人が診断された世帯の割合(便宜上「家庭内感染率」と表記)が次のとおり家族人数が多いほど高くなった。実際の感染経路を特定したものではない。
- 2人世帯:18.5%
- 3人世帯:33.3%
- 4人世帯:43.1%
- 5人以上世帯:51.4%
また、世帯内で最も早く診断された「初発者」の割合(初発診断発生率)は5~14歳で高かった。子どもが初発者となる割合は、子ども1人世帯で約51~60%、2人世帯で約66~74%、3人世帯で約74~81%と、子どもの人数が多い世帯ほど高く、6歳以下の子どもが多い世帯より7~12歳の子どもが多い世帯で高い傾向がみられた。
分析は健康保険組合由来のレセプトデータに基づき、対象は0~74歳の加入者で40~50代が多いなど日本全体とは年齢構成が異なる。医療機関を受診していない人や診断されなかった人は含まれない。公的統計とは対象集団や算出方法、対象期間が異なるため直接比較できず、相互に補完的な位置づけとしている。生活習慣などとの関係も観察研究であり、発症・重症化への直接の影響を示したものではない。
あわせて、厚生労働省が2026年8月28日に流行入りを公表し、感染症法が施行された1999年以来2番目に早い流行入りであること、前年より約1か月早い時期から流行が確認されていることも紹介している。流行入りが早いことは、その後の流行規模が大きくなることを意味するものではないとしている。
住友生命は、生命保険が本来持つ「安心」の価値を万一への保障から日々の健康増進など「毎日」の安心へと拡げる「拡・保険」を推進している。“住友生命「Vitality」”をはじめとした健康増進を支援する商品・サービスの提供に加え、データサイエンスで得た知見を社会に還元し、一人ひとりの健康づくりや社会全体の感染症への備えに役立てていくとしている。詳細は元の発表の【調査結果のサマリー】と【別紙】を参照。
出典:住友生命保険「「インフルエンザ実態調査レポート」2026~子どもが世帯内で最初に診断されやすい傾向、生活習慣や生活習慣病の既往別にインフルエンザの入院リスクに差~」
本記事は住友生命保険の発表をもとに編集部が要約したものです。
本記事は公式発表の要点のみを紹介しています。全文・詳細は出典元をご確認ください。

