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保険代理店の顧客情報管理とは?個人情報を扱ううえでの管理態勢を考える【2026年版】

保険代理店の顧客情報管理とは?個人情報を扱ううえでの管理態勢を考える【2026年版】

保険代理店では、日々の募集業務の中で多くの顧客情報を取り扱います。氏名、住所、電話番号、契約内容だけでなく、商品や手続きによっては、家族構成、収入、病歴をはじめとする健康・医療に関する情報など、重要性の高い情報を扱うこともあります。

目次
  1. 保険代理店の「顧客情報管理」とは
  2. 保険代理店も個人情報保護法への対応が必要
  3. 金融庁の監督指針ではどう位置づけられている?
  4. 個人情報保護法では何が求められる?
  5. 安全管理措置とは
  6. 1.組織的な安全管理
  7. 2.人的な安全管理
  8. 3.物理的な安全管理
  9. 4.技術的な安全管理
  10. 誰でも顧客情報を見られる状態は避ける
  11. 病歴などは「要配慮個人情報」に該当する
  12. 顧客情報を取得するときは「利用目的」も重要
  13. 顧客情報を第三者へ提供してもよい?
  14. メール誤送信にも注意
  15. 私物スマホや個人パソコンを使ってもよい?
  16. 退職者のアクセス権限にも注意
  17. 外部委託先の情報管理も確認する
  18. 情報漏えいが起きたらどうする?
  19. 情報漏えい後は原因分析と再発防止まで行う
  20. 顧客情報管理は募集人教育ともセットで考える
  21. 代理店が確認したい10のポイント
  22. まとめ|顧客情報管理は「保管」だけでなく取得から廃棄まで考える
  23. よくある質問
  24. 主な参考資料


保険代理店では、日々の募集業務の中で多くの顧客情報を取り扱います。

氏名、住所、電話番号、契約内容だけでなく、商品や手続きによっては、家族構成、収入、病歴をはじめとする健康・医療に関する情報など、重要性の高い情報を扱うこともあります。

こうした情報が漏えいしたり、不適切に利用されたりすれば、顧客に大きな不利益を与えるだけでなく、代理店の信用や業務運営にも重大な影響を及ぼす可能性があります。

そのため保険代理店では、

誰が情報を扱うのか
→ どのように保管するのか
→ どのように利用するのか
→ 誰へ提供できるのか
→ 漏えい等が起きた場合にどう対応するのか

といった管理態勢を整えておくことが重要です。

金融庁の「保険会社向けの総合的な監督指針」には、「顧客等に関する情報管理態勢」という独立した監督項目があります。

また、保険募集人の体制整備についても、顧客情報の適正な管理を含む内部事務管理態勢を整備し、必要な教育・管理・指導を行うことが重要な確認事項として示されています。

さらに金融庁の監督指針では、保険募集人における顧客情報管理について、その規模や業務特性に応じて、基本的に「II-4-5 顧客等に関する情報管理態勢」に準じるものとされています。

個人情報保護法でも、個人データについて、漏えい、滅失、毀損などを防止するために必要かつ適切な安全管理措置を講じることが求められています。

この記事では、保険代理店の顧客情報管理とは何か、個人情報を取り扱ううえでどのような管理態勢を考える必要があるのかを整理します。

※本記事は2026年8月時点で公表されている個人情報保護法、個人情報保護委員会のガイドライン、金融庁の監督指針、生命保険協会の資料などをもとに一般的な情報を整理したものです。個別の対応については、代理店の規模、取扱情報、募集形態、所属保険会社の規程などによって異なります。

保険代理店の「顧客情報管理」とは

顧客情報管理とは、顧客から取得した情報を適切な目的・方法で利用し、漏えい・紛失・不正利用などを防止するために管理することです。

保険代理店では、たとえば、

  • 氏名

  • 住所

  • 生年月日

  • 電話番号

  • メールアドレス

  • 契約内容

  • 保険金額

  • 保険料

  • 家族に関する情報

  • 資産・収入等に関する情報

  • 病歴など健康・医療に関する情報

などを取り扱うことがあります。

ただし、これらすべてが常に同じ法律上の区分になるわけではありません。

個人情報保護法では、

  • 個人情報

  • 個人データ

  • 保有個人データ

  • 要配慮個人情報

などがそれぞれ定義されており、適用されるルールも異なります。

そのため、

「顧客情報だからすべて同じ方法で管理すればよい」

という考え方ではなく、自社がどのような情報を取り扱っているのかを把握したうえで、必要な管理方法を考えることが重要です。

保険代理店も個人情報保護法への対応が必要

保険代理店は通常、事業で個人情報データベース等を利用しているため、個人情報保護法上の「個人情報取扱事業者」として、同法に従って個人情報を取り扱う必要があります。

現在の個人情報保護法には、かつて存在した「取り扱う個人情報が5,000人分以下であれば個人情報取扱事業者から除外する」という仕組みはありません。

したがって、

「小規模代理店だから個人情報保護法の対象外」

と考えることは適切ではありません。

代理店の規模にかかわらず、自社が取り扱っている個人情報を把握し、法令に沿った管理を行うことが重要です。

金融庁の監督指針ではどう位置づけられている?

金融庁の現行「保険会社向けの総合的な監督指針」には、

II-4-5 顧客等に関する情報管理態勢

という項目があります。

ここでは、保険会社が顧客に関する情報や法人関係情報を適切に管理できる態勢を確立することが重要とされています。

たとえば、

  • 情報へのアクセスや利用を業務上必要な役職員に限定する

  • 情報管理に関する組織体制を整える

  • 社内規程を策定する

  • 具体的な取扱基準を設ける

  • 研修等によって役職員へ周知する

といった考え方が示されています。

金融庁は、業務上必要な者だけが情報へアクセスする「Need to Know原則」も監督上の着眼点として示しています。

「II-4-5 顧客等に関する情報管理態勢」は、直接的には保険会社に対する監督上の評価項目です。

しかし、ここで重要なのは、金融庁の監督指針が保険募集人の顧客情報管理についても言及していることです。

保険募集人における顧客情報管理については、その規模や業務特性に応じて、基本的に「II-4-5 顧客等に関する情報管理態勢」に準じるものとされています。

したがって、II-4-5を単純に「保険会社だけの話」と考えるのではなく、保険代理店でも自社の規模や業務特性に応じた情報管理態勢を考える必要があります。

個人情報保護法では何が求められる?

個人情報保護法では、個人データについて、

漏えい
滅失
毀損

などを防止するために、必要かつ適切な安全管理措置を講じることが求められています。

また、

  • 従業者に対する必要かつ適切な監督

  • 個人データの取扱いを委託する場合の委託先への必要かつ適切な監督

についても規定されています。

個人情報保護委員会のガイドラインでは、事業者が講ずべき安全管理措置について具体的な考え方が示されています。

重要なのは、すべての代理店に全く同じシステムや管理方法が求められるわけではないことです。

自社の規模、業務内容、取り扱う個人データの性質などを踏まえて、必要かつ適切な措置を講じる必要があります。

安全管理措置とは

個人情報保護委員会のガイドラインでは、個人データを安全に管理するための措置について、組織的、人的、物理的、技術的な観点などから整理されています。

代理店実務では、次のような管理を考えることができます。

1.組織的な安全管理

まず、

  • 誰が個人情報管理を担当するのか

  • 問題が起きた場合に誰へ報告するのか

  • どのような個人データを取り扱っているのか

  • 誰がアクセスできるのか

  • ルールが守られているかをどう確認するのか

などを整理します。

個人情報管理規程を作って終わりではなく、実際に運用状況を確認できる仕組みにしておくことが重要です。

2.人的な安全管理

顧客情報を扱うのはシステムだけではありません。

募集人や事務担当者など、実際に情報を扱う人への教育・監督も重要です。

たとえば、

  • 顧客情報を無断で持ち出さない

  • 必要のない情報へアクセスしない

  • 顧客情報を第三者へ不用意に話さない

  • メール送信時に宛先を確認する

  • 書類を放置しない

  • パスワードを適切に管理する

など、自社のルールを理解させる必要があります。

3.物理的な安全管理

紙の申込書や顧客ファイル、パソコン、USBメモリーなど、物理的な媒体の管理も重要です。

たとえば、

  • 書類を適切な場所へ保管する

  • 来訪者等が容易に顧客情報を閲覧できないようにする

  • パソコンや端末を持ち出す場合のルールを設ける

  • 不要になった書類を適切に廃棄する

  • 記録媒体の紛失・盗難を防止する

などが考えられます。

4.技術的な安全管理

電子データでは、

  • ID・パスワード管理

  • アクセス権限の設定

  • 不正アクセス防止

  • OS・ソフトウェアの適切な管理

  • マルウェア対策

  • 必要に応じたデータ保護

  • アクセス状況の把握

  • 私物端末の利用管理

などを検討する必要があります。

ただし、これらすべてがすべての代理店に全く同じ方法で一律に求められるという意味ではありません。

代理店の規模、利用システム、取扱情報などに応じて必要な措置を検討します。

誰でも顧客情報を見られる状態は避ける

金融庁の監督指針では、顧客等に関する情報へのアクセスや利用を、業務遂行上必要な役職員に限定する「Need to Know原則」が示されています。

代理店でも、その規模や業務特性に応じて考える必要があります。

たとえば、

「社員であれば全顧客の情報を自由に閲覧できる」

という状態ではなく、

その業務を行うために必要な人が、必要な範囲の情報へアクセスできる

という考え方です。

顧客管理システムや共有フォルダなどについても、

  • 営業担当

  • 管理者

  • 事務担当

  • 経営層

など、それぞれの役割に応じてアクセス権限を設定・見直すことが考えられます。

病歴などは「要配慮個人情報」に該当する

保険募集では、商品や手続きによって、病歴など健康・医療に関する情報を取り扱う場合があります。

個人情報保護法では、病歴など、不当な差別や偏見その他の不利益が生じないよう、その取扱いに特に配慮を要する一定の個人情報を「要配慮個人情報」としています。

病歴のほか、一定の健康診断結果、診療・調剤に関する情報なども要配慮個人情報に該当します。

一方、「健康に関する情報」であればすべて自動的に要配慮個人情報になるわけではありません。

情報の具体的な内容に応じて判断する必要があります。

要配慮個人情報を取得する場合には、法令上の例外に該当する場合を除き、原則としてあらかじめ本人の同意を得る必要があります。

保険代理店では、こうした情報の重要性を踏まえて適切に管理することが重要です。

顧客情報を取得するときは「利用目的」も重要

個人情報保護法では、個人情報を取り扱うにあたり、利用目的をできる限り特定することが求められています。

また、本人から契約書その他の書面等に記載された個人情報を直接取得する場合には、一定の例外を除き、あらかじめ本人に対して利用目的を明示する必要があります。

保険代理店では、

  • 保険契約の提案

  • 保険契約の締結・管理

  • 契約後のアフターフォロー

  • 保険会社への情報提供

  • 商品・サービスの案内

など、自社がどのような目的で情報を利用するのかを整理する必要があります。

一度取得した顧客情報であれば、どのような目的にも自由に利用できるというものではありません。

顧客情報を第三者へ提供してもよい?

個人データを第三者へ提供する場合には、個人情報保護法のルールに従う必要があります。

原則としてあらかじめ本人の同意が必要となりますが、法令に基づく場合など例外もあります。

また、保険代理店の場合には、所属保険会社との間で顧客情報をやり取りすることがあります。

その取扱いが、

  • 第三者提供

  • 委託

  • 共同利用

など、どの法律上の位置づけになるのかによって必要な対応が異なります。

そのため、

「保険会社だから自由に顧客情報を渡してよい」

と単純に考えるのではなく、利用目的や契約関係、法令上の位置づけなどを確認する必要があります。

メール誤送信にも注意

顧客情報の漏えいは、大規模なサイバー攻撃だけで起きるわけではありません。

日常業務では、

  • メールの宛先間違い

  • 添付ファイルの間違い

  • CCとBCCの誤り

  • 別顧客の資料を添付

  • チャットへの誤送信

などもリスクになります。

生命保険協会の2026年度自己点検資料でも、高度化項目として、個人データをメール送信する場合の誤送信防止に関する取組みが確認されています。

ただし、高度化項目は、記載された特定の対策を導入していないことだけで直ちに法令違反となるものではありません。

重要なのは、自社の業務や取り扱う情報のリスクに応じて必要な誤送信防止策を講じることです。

私物スマホや個人パソコンを使ってもよい?

スマートフォンやパソコンを使って顧客情報を扱う代理店も多いでしょう。

特に注意したいのが、私物端末の利用です。

たとえば、

  • 顧客の連絡先を個人スマートフォンへ登録する

  • 個人向けメッセージアプリ等で顧客情報をやり取りする

  • 個人パソコンへ契約資料を保存する

  • 私物USBメモリーにファイルを保存する

といった運用には情報漏えい等のリスクがあります。

生命保険協会の2026年度自己点検資料でも、高度化項目として個人所有電子機器の利用や情報保存に関する管理が確認されています。

代理店では、

利用を禁止するのか
許可制にするのか
どのようなセキュリティ条件を設けるのか

など、自社や所属保険会社のルールを明確にしておくことが重要です。

退職者のアクセス権限にも注意

募集人や従業員が退職した場合にも、顧客情報管理は重要です。

たとえば、

  • 社内システム

  • CRM

  • メール

  • クラウドストレージ

  • VPN

  • 業務用端末

などへのアクセス権限が残っていれば、退職後も顧客情報へアクセスできる可能性があります。

そのため、退職・異動時には、

  • アカウント停止

  • 権限変更

  • 業務端末の返却

  • 書類・データの返却

  • 必要に応じたデータ削除

などを確実に行う仕組みを整えることが重要です。

外部委託先の情報管理も確認する

保険代理店では、

  • 顧客管理システム

  • クラウドサービス

  • コールセンター

  • 書類保管

  • データ入力

などを外部事業者へ委託している場合があります。

個人情報保護法では、個人データの取扱いを委託する場合、委託先に対して必要かつ適切な監督を行うことが求められています。

そのため、

  • どのような情報を委託先へ渡しているか

  • 委託先の情報管理態勢はどうなっているか

  • 再委託が行われるか

  • 契約終了時に情報をどう処理するか

  • 漏えい等が起きた場合の連絡・対応方法

などを確認することが重要です。

情報漏えいが起きたらどうする?

顧客情報の漏えい、紛失、誤送信などが発生した場合には、まず被害拡大を防ぐための対応が必要です。

たとえば、

  • 誤送信したメールの状況確認

  • 紛失端末のアクセス停止

  • パスワード変更

  • システムへのアクセス遮断

  • 社内の責任者への報告

  • 事実関係の確認

などが考えられます。

さらに個人情報保護法では、個人の権利利益を害するおそれが大きい一定の漏えい等について、個人情報保護委員会への報告および本人への通知が必要になります。

報告対象となり得るものとして、

  • 要配慮個人情報を含む個人データの漏えい等

  • 財産的被害が生じるおそれがある個人データの漏えい等

  • 不正の目的をもって行われたおそれがある漏えい等

  • 本人の数が1,000人を超える漏えい等

などがあります。

したがって、

「個人情報が1件漏れたら必ず個人情報保護委員会へ報告」

というわけでも、

「少人数なら絶対に報告不要」

というわけでもありません。

たとえば1件であっても、要配慮個人情報を含む個人データの漏えい等であれば報告対象となる可能性があります。

発生した事案が法令上の報告対象に該当するかを確認する必要があります。

また、保険代理店の場合には、所属保険会社への報告が必要となる場合もあるため、自社だけで判断せず、所属保険会社の報告基準や連絡ルートも確認することが重要です。

情報漏えい後は原因分析と再発防止まで行う

漏えい等が発生した場合、顧客対応や報告だけで終了するのではなく、

なぜ発生したのか

を確認することも重要です。

たとえば、

  • 操作ミス

  • 教育不足

  • アクセス権限の設定ミス

  • パスワード管理の不備

  • 私物端末の利用

  • システム上の問題

  • 委託先の管理上の問題

など、原因を分析します。

そのうえで、

  • 社内ルールの変更

  • 再教育

  • アクセス権限の見直し

  • システム改善

  • メール送信ルールの変更

  • 委託先管理の見直し

などにつなげることが重要です。

顧客情報管理は募集人教育ともセットで考える

どれだけ情報管理規程やシステムを用意しても、募集人がルールを理解していなければ十分な管理にはつながりません。

金融庁の監督指針でも、保険募集人の体制整備について、顧客情報の適正な管理を含む内部事務管理態勢について社内規則等に定め、募集人の育成や資質向上のための措置を講じるなど、適切な教育・管理・指導を行うことが重要な観点として示されています。

そのため、

ルールを作る
→ 教育する
→ 実際の取扱いを確認する
→ 問題を発見する
→ 改善する

というサイクルを作ることが重要です。

代理店が確認したい10のポイント

顧客情報管理について、保険代理店では次のような点を確認すると整理しやすくなります。

  1. 自社がどのような顧客情報を保有しているか把握しているか

  2. 個人情報の利用目的を適切に整理・周知しているか

  3. 顧客情報へアクセスできる人を必要な範囲に限定しているか

  4. 紙書類・電子データを適切に保管しているか

  5. メール誤送信や情報持ち出しへの対策を行っているか

  6. 私物端末や外部記録媒体の利用ルールがあるか

  7. 要配慮個人情報に該当する情報を適切に取り扱っているか

  8. 外部委託先について必要な監督を行っているか

  9. 漏えい等が発生した場合の報告・対応ルートを整理しているか

  10. 情報管理について募集人への教育・点検を行っているか

ただし、この10項目は個人情報保護法や保険業法にそのまま列挙された法定チェックリストではありません。

金融庁の監督指針、個人情報保護委員会のガイドライン、生命保険協会の自己点検資料などを踏まえて、代理店が顧客情報管理を見直すための代表的なポイントとして整理したものです。

まとめ|顧客情報管理は「保管」だけでなく取得から廃棄まで考える

保険代理店の顧客情報管理は、顧客情報を鍵のかかる場所に保管することだけを意味するものではありません。

重要なのは、

取得する
→ 利用する
→ 保存する
→ 共有・提供する
→ 廃棄する

という情報のライフサイクル全体を適切に管理することです。

金融庁の現行監督指針では、保険会社について「顧客等に関する情報管理態勢」が独立した評価項目として設けられ、必要な者だけが情報へアクセスするNeed to Know原則などが示されています。

さらに、保険募集人の顧客情報管理についても、その規模や業務特性に応じて、基本的にこの「顧客等に関する情報管理態勢」に準じるものとされています。

また、個人情報保護法では、個人データについて必要かつ適切な安全管理措置を講じることに加え、従業者や委託先への必要かつ適切な監督も求められています。

保険代理店では、

ルールを整える
→ アクセスを管理する
→ 募集人を教育する
→ 実態を点検する
→ 問題があれば改善する

という仕組みを継続的に機能させることが重要です。

よくある質問

Q. 小規模な保険代理店なら個人情報保護法の対象外ですか?

現在の個人情報保護法には、取り扱う個人情報が5,000人分以下であることを理由として個人情報取扱事業者から除外する仕組みはありません。保険代理店は通常、個人情報データベース等を事業で利用しているため、個人情報取扱事業者として法令に従った対応が必要です。

Q. 顧客情報は社員なら誰でも見られるようにしてよいですか?

業務上必要のない者まで自由に閲覧できる状態は適切ではありません。金融庁の監督指針では「Need to Know原則」が示されており、保険募集人についても規模や業務特性に応じて基本的に顧客等に関する情報管理態勢に準じるものとされています。

Q. 健康状態の情報はすべて要配慮個人情報ですか?

健康に関係する情報がすべて自動的に要配慮個人情報になるわけではありません。病歴や一定の健康診断結果、診療・調剤に関する情報などは要配慮個人情報に該当します。具体的な情報の内容に応じて判断する必要があります。

Q. 顧客情報をメールで送ってはいけませんか?

メールで送信すること自体が一律に禁止されているわけではありません。ただし、情報の性質やリスクに応じて、誤送信防止や適切なデータ保護など必要な安全管理措置を検討する必要があります。

Q. 私物スマートフォンで顧客と連絡してもよいですか?

個人情報保護法が一律に私物スマートフォンの使用を禁止しているわけではありません。ただし、紛失や退職後の情報残存などのリスクがあります。自社および所属保険会社のルールに従って適切に管理する必要があります。

Q. 個人情報が1件漏れたら必ず個人情報保護委員会へ報告しますか?

必ずしもそうではありません。個人情報保護法では、個人の権利利益を害するおそれが大きい一定の漏えい等について報告が義務付けられています。要配慮個人情報を含む場合などには、1件でも報告対象となる可能性があります。

Q. 保険会社へ顧客情報を渡す場合、必ず本人同意が必要ですか?

情報提供の法律上の位置づけによって異なります。第三者提供、委託、共同利用などでは必要な対応が異なるため、一律に判断することはできません。利用目的、契約関係、法令や所属保険会社のルールなどを確認する必要があります。

Q. 外部のクラウドサービスを利用しても大丈夫ですか?

クラウドサービスの利用自体が一律に禁止されているわけではありません。個人データの取扱いを委託する場合などには、委託先に対して必要かつ適切な監督を行う必要があります。また、サービスの仕組みやデータの取扱いによって法的な整理が異なる場合があります。

主な参考資料

  • 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」

  • 金融庁「保険会社向けの総合的な監督指針」

  • 金融庁「II-4-5 顧客等に関する情報管理態勢」

  • 金融庁「II-4-2-9 保険募集人の体制整備義務」

  • 一般社団法人生命保険協会「募集代理店の体制整備」

  • 一般社団法人生命保険協会「2026年度 募集代理店共通自己点検表」

  • 一般社団法人生命保険協会「募集代理店共通自己点検表 補足資料 高度化項目について」

※本記事は2026年8月時点で公表されている法令、金融庁・個人情報保護委員会・生命保険協会等の資料をもとに一般的な情報を整理したものです。個別の個人情報の取扱い、漏えい等の報告義務、第三者提供・委託等の判断については、最新の法令・ガイドライン、所属保険会社の規程などをご確認ください。

本記事はINSURANCE JOURNAL編集部による取材・調査・分析をもとに構成しています。

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