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【特集】 「ハ方式」がなくなる。その影響は、商品の選び方ではなく、代理店の仕事そのものにある。

「ハ方式」がなくなる。その影響は、商品の選び方ではなく、代理店の仕事そのものにある。

ロ方式への一本化で変わるのは、商品の選び方ではなく、代理店の仕事そのもの。「ハ方式がなくなる。」この話題を耳にする機会が増えました。制度改正という言葉だけを見ると、「保険募集のルールが変わる」という印象を受けます。

目次
  1. ロ方式への一本化で変わるのは、商品の選び方ではなく、代理店の仕事そのもの。
  2. ロ方式で問われるのは、「何を提案したか」ではなく「なぜ提案したか」
  3. 現場で増えるのは、「比較」よりも「情報管理」の仕事
  4. 保険代理店システムの役割が変わり始めている
  5. 市場が求め始めているのは、「もう一つのDX」
  6. 「導入する」より、「活かす」が競争力になる
  7. 保険業界の周辺企業にとっては、新しい提案のタイミング
  8. INSURANCE JOURNAL VIEW

ロ方式への一本化で変わるのは、商品の選び方ではなく、代理店の仕事そのもの。

「ハ方式がなくなる。」

この話題を耳にする機会が増えました。

制度改正という言葉だけを見ると、「保険募集のルールが変わる」という印象を受けます。しかし、編集部が代理店の経営者や管理者、DX企業への取材を重ねるなかで感じているのは、もっと別の変化です。

話題は制度の解釈では終わりません。

「募集人への教育をどう変えるべきか。」

「比較推奨の理由は、どこまで記録すればいいのか。」

「今の代理店システムで対応できるのか。」

「管理者が全部チェックする運用は現実的なのか。」

最後は必ず、現場の仕事の話になります。

制度改正は法律の話ですが、実際に変わるのは日々の仕事です。そして、仕事が変わると市場も変わります。

編集部は、今回の制度改正は保険代理店だけのテーマではなく、保険業界を支える企業にとっても大きな転換点になると考えています。


ロ方式で問われるのは、「何を提案したか」ではなく「なぜ提案したか」

ハ方式からロ方式への移行は、「販売ルールが変わる」という説明で語られることが少なくありません。

もちろん、それは間違いではありません。

しかし、募集人の日常業務を考えると、本当に変わるのはそこだけではありません。

例えば、お客様から「保険料をできるだけ抑えたい」という相談を受けたとします。

あるいは、「保障を重視したい」「持病があるので加入できる商品を知りたい」といった相談かもしれません。

募集人は、その意向を踏まえて商品を比較し、一つの商品を提案します。

ここまでは今までも行われてきた仕事です。

これからより重要になるのは、その後です。

なぜ、その商品を提案したのか。

比較した商品の中で、どのような理由で選んだのか。

顧客意向と提案内容がどのようにつながっているのか。

こうしたプロセスを、後から説明できる状態にしておくことが、これまで以上に求められます。

制度改正は「商品比較」を求めているように見えますが、実際には**「説明できる募集プロセス」**を求めていると言い換えることもできます。


現場で増えるのは、「比較」よりも「情報管理」の仕事

取材先で、こんな話を聞きました。

「比較することより、その理由を残す方が時間がかかる。」

この言葉は印象的でした。

商品を比較すること自体は、募集人にとって日常業務です。

難しいのは、その背景を組織として共有できる形で残すことです。

面談記録を書く。

意向把握を整理する。

比較した商品を記録する。

推奨理由を残す。

管理者が確認する。

必要があれば改善につなげる。

一つひとつは新しい仕事ではありません。

しかし、それらが組み合わさることで、管理業務の負担は確実に増えていきます。

制度改正は「比較推奨」の見直しとして語られますが、現場で起きる変化は「情報管理の高度化」と言った方が実態に近いかもしれません。


保険代理店システムの役割が変わり始めている

この変化を最も敏感に感じているのは、保険代理店システムを提供する企業ではないでしょうか。

これまで代理店システムには、顧客情報や契約情報を管理する役割が期待されてきました。

もちろん、その役割は今も変わりません。

しかし、ロ方式への移行を見据えると、求められるものは少し変わってきます。

面談履歴が残っていること。

顧客意向が確認できること。

提案理由が分かること。

募集記録と教育履歴がつながっていること。

点検結果が改善活動へ活かせること。

つまり、「契約を管理するシステム」から、「募集品質を支える基盤」へと期待が広がり始めています。

実際、hokan®やAS-BOX、YouWill-CRMをはじめとした保険代理店向けサービスも、顧客管理だけでなく、募集プロセスや証跡管理、情報共有などの領域まで機能を広げています。

編集部が注目しているのは、新しいサービスが登場していることではありません。

代理店がシステムに期待する役割そのものが変わってきたという点です。


市場が求め始めているのは、「もう一つのDX」

ここ数年、保険業界ではDXという言葉が当たり前になりました。

ところが、その中身は少し変わってきています。

以前は、

「契約管理をデジタル化する」

「ペーパーレス化する」

という話が中心でした。

これからは少し違います。

顧客意向をどう残すか。

募集品質をどう管理するか。

教育内容をどう標準化するか。

点検結果をどう活かすか。

つまり、「募集品質を支えるDX」が新しいテーマになり始めています。

ここには代理店システムだけではありません。

CRM、ワークフロー、生成AI、BI、eラーニング、文書管理、電子署名、RPAなど、多くの企業が関われる領域があります。

制度改正は、一つの市場だけを動かすものではありません。

周辺市場全体に、新しい役割を求め始めています。


「導入する」より、「活かす」が競争力になる

一方で、編集部が気になっていることもあります。

代理店からは、「また新しいシステムが必要になるのか」という声も聞こえてきます。

しかし、取材を重ねると、必ずしもそうではありません。

代理店システムは入っている。

Microsoft 365も契約している。

Teamsも利用している。

生成AIも試している。

それでも、「結局Excelで管理している」というケースは珍しくありません。

つまり、多くの代理店に足りないのはツールではなく、ツール同士を仕事の流れの中で活かす視点です。

例えば、代理店システムに登録した面談履歴を教育へ活かす。

点検結果を募集人研修へ反映する。

Teamsで行った会議の議事録を生成AIで整理し、SharePointへ保存する。

こうした仕組みづくりは、すでにある環境でも十分始められます。

編集部は、これからのDXは「導入競争」ではなく「活用競争」になると考えています。


保険業界の周辺企業にとっては、新しい提案のタイミング

今回の制度改正は、代理店にとって負担が増える話として受け止められることが多いでしょう。

一方で、周辺企業から見ると、違う景色が見えてきます。

募集品質を支える仕組み。

提案理由を残す仕組み。

教育を継続する仕組み。

情報を一元管理する仕組み。

これらは、これまで「あれば便利」と考えられていたものです。

しかし、制度改正によって、「継続的に運営するために必要な仕組み」へと位置付けが変わり始めています。

つまり、問われるのは製品の機能ではありません。

代理店の仕事を理解しているかどうかです。

「AIができます。」

「CRMがあります。」

だけでは、これからは選ばれません。

「ロ方式になったとき、代理店の仕事はどこで止まり、どこを支援できるのか。」

そこまで提案できる企業が、これから存在感を高めていくでしょう。



INSURANCE JOURNAL VIEW

保険業法改正は、法律の話で終わるテーマではありません。

募集のルールが変われば、代理店の仕事が変わります。

代理店の仕事が変われば、それを支える市場も変わります。

編集部は、この変化を単なる制度対応として見るのではなく、「保険業界の仕事を見直すタイミング」だと考えています。

代理店は、これまで以上に募集品質を組織として管理することが求められます。

一方で、その仕事を支える企業には、システムやサービスを提供するだけではなく、「仕事そのものを設計し直す提案」が求められる時代になります。

制度改正は、新しい市場をつくります。

その市場で本当に選ばれるのは、制度を知っている企業ではなく、代理店の仕事を理解している企業なのかもしれません。

本記事は転載元の公式発表をもとに INSURANCE JOURNAL が掲載しています。掲載内容は公開時点の情報に基づきます。

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