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生前贈与のルールとは?2024年の税制改正ポイントをわかりやすく解説

生前贈与のルールとは?2024年の税制改正ポイントをわかりやすく解説

相続税には基礎控除があり、この金額を超えなければ税金はかかりません。しかし、超えた分は課税対象となり、相続税を支払う必要があります。相続税を抑える方法の一つとして活用されるのが、生前贈与によって相続財産をあらかじめ減らしておく方法です。

目次
  1. 2024年の税制改正で変わった主なポイント
  2. 暦年課税の改正内容
  3. 相続時精算課税の改正内容
  4. 改正後、どちらの制度を選ぶべきか
  5. お客さまへの提案時に押さえておきたいポイント(まとめ)
  6. よくある質問

相続税には基礎控除があり、この金額を超えなければ税金はかかりません。しかし、超えた分は課税対象となり、相続税を支払う必要があります。相続税を抑える方法の一つとして活用されるのが、生前贈与によって相続財産をあらかじめ減らしておく方法です。

生前贈与も相続税と同様、一定の金額を超えると贈与税がかかります。この贈与税は「暦年課税」と「相続時精算課税」のいずれかの課税方式を選択する必要がありますが、2024年1月1日以降の贈与分から、この制度の仕組みが大きく変わりました。相続財産を減らす対策を考えるうえで押さえておきたい内容のため、それぞれの基本の仕組みとあわせておさらいします。

2024年の税制改正で変わった主なポイント

暦年課税と相続時精算課税で改正された主なポイントは、次の2つです。

  • 「暦年課税」の持ち戻し期間が3年から7年に延長された
  • 「相続時精算課税」に年110万円の基礎控除が新設された

暦年課税の改正内容

暦年課税を選択する場合、贈与税の基礎控除枠(年110万円)を活用して、年単位で財産を子どもや孫などに少しずつ生前贈与することができます。基礎控除枠内であれば贈与税は非課税となり、例えば子どもに毎年110万円ずつ生前贈与すれば、10年間で1,100万円分に対する税金は0円になります。基礎控除は受贈者(贈与を受ける人)ごとに設けられるため、配偶者と子どもにそれぞれ贈与すれば、双方に年間110万円ずつ非課税で贈与することが可能です。

持ち戻し期間の延長(3年→7年)

ただし、この制度には、死亡直前の生前贈与による相続税逃れを防ぐため、死亡(相続開始)前一定期間の贈与分を、法定相続人(孫は対象外)が受け取る相続財産に含めて計算する「持ち戻し」という仕組みがあります。この期間が2024年の改正で3年から7年に延長されました(ただし、相続開始前3年超7年以内に受けた贈与については、総額100万円まで相続財産に加算されません)。

項目内容
贈与者・受贈者親族間のほか、第三者からの贈与も含む
課税時期贈与時(その時点の時価で課税)
控除額基礎控除(毎年):年間110万円
税率10〜55%の8段階の累進税率
相続発生時の贈与財産の扱い相続前7年以内に受けた贈与財産を相続財産に加算(相続前3年超7年以内の贈与財産は総額100万円まで課税しない)
計算例
亡くなる10年前から毎年110万円を生前贈与していた場合、改正前は330万円(110万円×3年)が相続財産に加えられていましたが、改正後は770万円(110万円×7年)が持ち戻しの対象になります。このうち相続財産に加算されない100万円を差し引いても670万円が相続財産に加えられるため、改正前と比べて340万円多く相続財産に加算されることになります。

このように、持ち戻し期間の延長により、暦年課税を活用した相続財産圧縮の効果は、改正前と比べて限定的になったといえます。

相続時精算課税の改正内容

相続時精算課税では、60歳以上の父母や祖父母などから18歳以上の子どもまたは孫に生前贈与を行う際、累計2,500万円の特別控除を受けられます。改正前は、相続時に贈与時点の時価を相続財産に含めて計算していたため、生前贈与をしても相続財産をあまり減らせない、また少額の贈与でも確定申告が必要で手間がかかるなど、暦年課税と比べて使いにくい制度とされていました。

基礎控除の新設

今回の改正により、年110万円の基礎控除が新たに設けられ、110万円以下の贈与であれば確定申告も不要になりました。この基礎控除分の贈与額は相続財産に加算されず、暦年課税のように7年以内の贈与であっても持ち戻されることはありません。

項目内容
贈与者・受贈者60歳以上の人から、18歳以上の推定相続人および孫への贈与
課税時期贈与時(その時点の時価で課税)
控除額基礎控除(毎年):年間110万円/特別控除:累計2,500万円(限度額まで複数回使用可能)
税率一律20%
相続発生時の贈与財産の扱い贈与財産を贈与時の時価(基礎控除額を除く)で相続財産に加算。相続税額を超えて納付した贈与税は還付される
改正前後の比較:改正前は特別控除分がすべて相続財産に加算されていましたが、改正後は年間110万円の基礎控除が新設され、この基礎控除分は全額加算されない扱いになりました。制度としての使いやすさが増したといえます。

改正後、どちらの制度を選ぶべきか

今回の改正により、暦年課税は相続財産を減らす効果がこれまでより限定的になりました。一方、相続時精算課税は毎年の基礎控除が新設され、その分を相続財産から差し引けるようになったことで、相続財産を圧縮する効果が高まったと考えられます。こうした変化から、相続財産を減らす対策として相続時精算課税を選択するケースが今後増える可能性もあります。

ただし、どちらの制度が有利かは、贈与を行う期間や金額、相続財産全体の状況などお客さまの個別の事情によって異なります。一律の判断はできないため、制度の選択や具体的な相続税対策については、税理士など専門家への相談を前提とした案内が必要です。

お客さまへの提案時に押さえておきたいポイント(まとめ)

  • 暦年課税は持ち戻し期間が3年から7年に延長され、直前の駆け込み贈与による節税効果は限定的になった
  • 相続時精算課税は年110万円の基礎控除が新設され、以前より利用しやすい制度になった
  • どちらの制度が有利かはお客さまの個別事情によって異なり、税理士など専門家への相談が前提となる
  • 改正から時間が経っていない制度のため、お客さまへの説明の際は最新のルールを確認しておくことが重要

よくある質問

Q.生前贈与にはどのような課税方式がありますか?
A.「暦年課税」と「相続時精算課税」のいずれかを選択します。暦年課税は年間110万円までの基礎控除を毎年活用できる方式、相続時精算課税は累計2,500万円の特別控除に加え、2024年からは年間110万円の基礎控除も設けられた方式です。
Q.2024年の税制改正で何が変わりましたか?
A.暦年課税では、相続財産に加算される生前贈与の期間(持ち戻し期間)が、相続開始前3年から7年に延長されました。相続時精算課税では、新たに年間110万円の基礎控除が設けられ、この基礎控除分は相続財産に加算されず、確定申告も不要になりました。
Q.暦年課税と相続時精算課税、どちらを選ぶべきですか?
A.一律にどちらが有利とは言えず、贈与を行う期間や金額、相続財産の状況などお客さまの個別の事情によって異なります。制度の選択や具体的な相続税対策については、税理士など専門家への相談が必要です。
本記事は一般的な情報提供を目的として作成しています。税制の内容は記事作成時点のものであり、今後変更される可能性があります。個別の税務判断・相続税対策については、税理士など専門家にご相談ください。

本記事は転載元の公式発表をもとに INSURANCE JOURNAL が掲載しています。掲載内容は公開時点の情報に基づきます。

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